異なる方式で電化が進捗した日本海縦貫線において、50Hzおよび60Hzの交流電化区間と直流電化区間を直通して走行できる三電源方式の電気機関車として開発され、1969年(昭和44年)の北陸本線糸魚川駅 – 直江津駅間電化開業に合わせて営業投入された。1979年(昭和54年)までに156両が日立製作所、三菱電機・三菱重工業で製作され、当初想定の日本海縦貫線や常磐線をはじめ、一部仕様を変更した車両が関門トンネル区間の特殊用途にも使用された。1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化では156両全機が東日本旅客鉄道(JR東日本)・西日本旅客鉄道(JR西日本)・九州旅客鉄道(JR九州)の各旅客会社とJR貨物に承継され、JR貨物では増大する輸送量に対応するため1989年から本形式を再製作した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/国鉄EF81形電気機関車
0番代
本形式の一般仕様車で、1968年から1979年に152両 (EF81 1 – 152) が新製された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/国鉄EF81形電気機関車
【JR東日本】
記事執筆日現在、バラスト輸送/レール輸送列車(工臨)、電車入出場時などの配給輸送、団体専用列車、臨時列車に使用されており、秋田車両センター、長岡車両センター、田端運転所に在籍している。
EF81 80は1973年に日立製作所で製造され、富山第二機関区に新製配置された。その後内郷機関区を経て田端運転所に転属し、現在に至る。
外観上の特徴はツララ切り未装備且つ、分割民営化後に赤2号+流星塗装(北斗星色)へ変更された点が該当する。なお、その後採光窓の流星塗装が省略されている。
EF81 81は1973年に日立製作所で製造され、富山第二機関区に新製配置された。その後内郷機関区を経て田端運転所に転属し、現在に至る。
外観上の特徴はツララ切り未装備且つ、分割民営化後に赤2号+流星塗装(北斗星色)へ変更された点が該当する。その後2014年に、赤13号+銀差し(お召し列車牽引機塗装)に変更された。
なお、記事執筆日現在、お召し列車牽引機塗装且つ営業線上を走行できる機関車は本機の他、高崎車両センター所属のDD51 842のみとなる。
EF81 95は1974年に日立製作所で製造され、富山第二機関区に新製配置された。その後田端運転所に転属し、現在に至る。
外観上の特徴はツララ切り未装備且つ、分割民営化直前に赤2号+「EF81」ロゴ(「スーパーエクスプレスレインボー」専用機塗装)へ変更された点が該当する。その後牽引担当客車である「スーパーエクスプレスレインボー」は引退したが、記事執筆日現在も同塗装を維持している。
なお、同様の塗装はEF65及びED75にも存在したが、いずれも廃車済みのため本機が唯一の存在となる。
EF81 97は1974年に日立製作所で製造され、富山第二機関区に新製配置された。その後田端運転所を経て長岡車両センターに転属し、現在に至る。
外観上の特徴はツララ切り未装備且つ、分割民営化後に赤2号+流星塗装(北斗星色)へ変更された点が該当する。その後2018年に、赤13号(ローズピンク)へ塗装変更及び、白Hゴム化(灰色塗装による復元)を実施された。
赤13号(ローズピンク)一色による塗装は交直流電気機関車における標準塗装であったが、記事執筆日現在は本機が唯一の存在となる。(類似の塗装としてEF81 81のお召し列車牽引機塗装、JR貨物所属の九州更新色も存在する)
EF81 98は1974年に日立製作所で製造され、酒田機関区に新製配置された。その後長岡運転所を経て田端運転所に転属し、現在に至る。
外観上の特徴はツララ切り未装備且つ、分割民営化後に赤2号+流星塗装(北斗星色)へ変更された点が該当する。なお、記事執筆日現在も採光窓の流星塗装は省略されておらず、同様の塗装を維持しているのは本機が唯一の存在となる。
EF81 136は1977年に三菱重工業で製造され、酒田機関区に新製配置された。その後長岡運転所、青森運転所を経て秋田車両センターに転属し、現在に至る。
外観上の特徴はツララ切り装備且つ、分割民営化後に赤2号へ塗装変更及び、双頭連結器が装備された点が該当する。
EF81 139は1979年に日立製作所で製造され、東新潟機関区に新製配置された。その後長岡運転所、青森運転所、秋田車両センターを経て田端運転所に転属し、現在に至る。
外観上の特徴はツララ切り装備且つ、分割民営化後に赤2号へ塗装変更及び、電車牽引用の双頭連結器が装備された点が該当する。
記事執筆日現在、田端運転所に所属するEF81で、赤2号単色塗装且つ双頭連結器を装備する車両は本機が唯一の存在となる。
EF81 140・141は1979年に日立製作所で製造され、東新潟機関区に新製配置された。その後長岡運転所に転属し、現在に至る。
外観上の特徴はツララ切り装備且つ、分割民営化後に赤2号へ塗装変更及び、電車牽引用の双頭連結器が装備された点が該当する。
【JR西日本】
記事執筆日現在、敦賀地域鉄道部に3両のみ在籍しており、レール輸送列車や団体臨時列車などに使用されている。
3両とも分割民営化後に「トワイライトエクスプレス」専用機塗装へ変更されている。
EF81 114は1974年に日立製作所で製造され、敦賀第二機関区に新製配置された。その後富山第二機関区を経て敦賀地域鉄道部に転属し、現在に至る。
2019年に金沢総合車両所松任本所へ回送され、記事執筆日現在も入場している。
300番代
関門トンネル用の特殊仕様車で、1973年(昭和48年)から1974年(昭和49年)に4両 (EF81 301 – 304) が新製された。当時、関門トンネルで使用されていたEF30形電気機関車の増備車として製作され、全機が門司機関区に新製配置された。海水が滴下する高湿度環境の海底トンネルを含む区間で用いるため、腐食防止対策として車体外板をステンレスとしている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/国鉄EF81形電気機関車
【JR貨物】
記事執筆日現在、九州島内の貨物列車牽引用として303号機の1両が門司機関区に在籍している。(その他、国鉄末期に基本番台から改造された400番代及び、分割民営化後に製造された450番代・500番代が在籍している)
前述の通り関門トンネル通過用として製造されたグループだが、現在はEH500型への置き換えが進んでおり、既に関門トンネルを通過する定期運用は無い。