EF64形電気機関車(EF64がたでんききかんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が1964年に開発した、勾配線区用向け直流電気機関車である。
奥羽本線の板谷峠(1949年に直流電化、1968年に交流化し当形式は撤退)越え区間や、中央本線など、20パーミルから33パーミル程度の中勾配区間に対応する発電ブレーキ搭載の新型F級電気機関車が必要とされる直流電化路線も多く、これに対応するために開発され1964年に登場したのが本形式である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/国鉄EF64形電気機関車
1964年から1976年の間に、基本番台(1 – 79)79両、1980年から1982年の間に大幅な設計変更を行った1000番台(1001 – 1053)53両の計132両が製造された。
0番代
勾配線用で発電ブレーキを常用する設計であることから、抵抗器の放熱を効率よく行うため、車体側面のエアフィルタ部の開口面積を大きく設計してあるのが特徴である。79両が製造された。
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【JR貨物】
分割民営化後も高崎・塩尻・稲沢・岡山の各機関区に在籍し、主に中央本線、篠ノ井線、東海道線、伯備線などの貨物列車で運用された。2003年以降はEH200型の新造やEF64型1000番代の転属により置き換えが進み、2013年に全車が引退した。
EF64 25は1966年に川崎車両で製造され、甲府機関区に配置された。その後篠ノ井機関区を経て塩尻機関区に転属し、2003年まで運用された。
外観上の特徴として、ほかの同形式車両と異なり、モニタ窓が楕円形ではなく角形である点が該当する。
【JR東日本】
高崎車両センターに37号機の1両が在籍し、主に臨時列車、 団体専用列車、 レール輸送・バラスト輸送列車に使用されていた。
EF64 37は1971年に汽車会社で製造され、甲府機関区に配置された。その後、長岡、甲府、八王子、高崎第二機関区の順に転属し、分割民営化後はJR東日本 高崎機関区(→高崎車両センターへ改称)へ継承された。
2015年にEF64 38,39が廃車されて以降、現役のEF64 0番代は37号機が唯一の存在となっている。
近年はレール輸送用気動車キヤE195系の増備が進んでおり、今後の動向が注目される。
EF64 37は2003年4月頃からぶどう色2号の塗装となっていた。その後2018年~2019年にかけて実施された全般検査に伴い、国鉄直流新性能電機標準色へ塗装変更された。また、同時に黒Hゴム→白Hゴムへの復元も実施された。
1000番代
1000番台は1970年代末期に開発された国鉄最後の直流電気機関車である。上越線や高崎線で当時使われていたEF58形・EF15形・EF16形の置き換え用に1980年より投入された。ラストナンバーは1053である。
性能は基本番台とほぼ同様であるが、各部仕様は基礎から再検討がなされたため、基本番台との差異は大きい。主な投入予定線区である上越線の沿線が国内有数の豪雪地帯であったことから、雪害対策を特に重視し、車内機器配置方法は大きく変更された。この結果、他の国鉄電機では見られない側面左右非対称の車体になった。
なお、2次車からは集電装置がPS22Cに変更され、上越線水上 – 石打間補機運用に充当する際、深夜に重連総括制御用ジャンパ連結器などを着脱する際の照明の設置が求められたことから、正面ジャンパ連結器上部に斜め下向きの作業灯が追加設置されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/国鉄EF64形電気機関車
【JR東日本】
長岡車両センターに4両、高崎車両センターに3両が在籍し、主に臨時列車、 団体専用列車、 レール輸送・バラスト輸送列車に使用されている。(記事執筆日現在)
EF64 1001は、1987年4月頃からぶどう色2号+白帯の塗装(くつろぎ色)となっていた。その後2017年に実施された全般検査に伴い、国鉄直流新性能電機標準色へ塗装変更された。また、同時に黒Hゴム→白Hゴムへの復元も実施された。
1030, 1031, 1032号機は双頭型両用連結器と電車牽引の際に使用するためのジャンパ管を装備しており、総合車両製作所新津事業所で製造されたJR東日本の電車を各車両基地へ運搬する配給列車の牽引や廃車回送で解体場(長野総合車両センターなど)まで運搬する配給列車の牽引に使用される。
https://ja.wikipedia.org/wiki/国鉄EF64形電気機関車
EF64 1052は、新製時から 国鉄直流新性能電機標準色となっていた。その後2018年に実施された全般検査に伴い、 ぶどう色2号+白帯の塗装(くつろぎ色) へ塗装変更された。
EF64 1051・1053は新製時より国鉄直流新性能電機標準色を維持している。